水潤滑軸受 (ゴム軸受)
各船級 型式承認取得済
水潤滑軸受 (ゴム軸受)

船舶推進軸系の軸受には、大別して水潤滑方式と油潤滑方式があります。
水潤滑には、今まで樹脂分を含んだ天然木のリグナムバイターが使用されてきましたが、産地(中南米)の原木枯渇によって、良質の原料が得がたくなってきており、場合によっては異常摩耗・異常膨潤が発生することが多くなってきておりました。近年ではこのリグナムバイターに変わり品質の安定したゴム軸受が主流となっております。弊社では、1970年代前半より、ゴム軸受の開発を進め、ゴム材質においては摺動特性及び耐摩耗性に優れたゴムを配し、金属シェルとの接着については特殊な製法によって強固で長期安定性を持つ優れた製品を供給しており、現在では多くの実績を持っております。
水潤滑軸受 (ゴム軸受)の特長
01. 動力損失が少ない
一般に、濡れたゴムと金属は、非常に滑りやすい性質を持っていますが、弊社では、この特長に注意を払い、摩擦係数の少ないゴム配合を設計しております。
摩擦比較 | 摩擦係数 |
---|---|
ゴムと金属(濡れたとき) | 0.04 |
ゴムと金属(乾燥したとき) | 0.5 |
鋳鉄と鋳鉄(多少の油) | 0.15 |
鋳鉄と青銅(乾燥のとき) | 0.22 |
鋳鉄と樫木(少量の油) | 0.19 |
鍛鉄と樫木(少量の油) | 0.08 |
ロールベアリング | 0.014 |
ボールベアリング | 0.001 |
02. 摩耗が少ない
リグナムバイターと較べ、耐摩耗性が良く、リグナムバイターで数ヶ月間にて取り替えていたものが、ゴム軸受で4年以上使用している例があります。
03. 軸・スリーブを傷つけない
軸とゴム軸受の間に砂とか小石が入っても、潤滑水により軸の回転とともに、溝にそって排出されるようになっています。弊社では、この特長を生かしたゴム配合を設計しています。
構造
フルモルドタイプ
一般に広く採用されているタイプで、金属シェルの内面にゴムを密着加硫し、ゴムには一定本数の溝をつけて潤滑水を通して使用します。フルモルドにはストレート型(LB-タイプ)・フランジ付き(LBF-タイプ)の2種類があります。


セグメンタルタイプ
軸径の大きい場合に、主に使用されるタイプで、金属板とゴムを密着加硫したストリップと金属シェル(ハウジング)とから成り立っています。
このタイプの特色は、修理の際に摩耗したストリップのみを取り替えればよく、メンテナンスが簡単で安価にできるようになっていることです
